PPA(取得原価の配分)

当社の業務はPPAにおける無形資産の価値算定を中心としつつ、棚卸資産、機械設備、借入金等の時価評価もオプション業務として対応可能です。

PPAとは

PPA(Purchase Price Allocation)は日本語では取得原価の配分と会計基準上定義されています。

企業結合会計基準が適用された当初から、取得による企業結合が行われた際には、対象会社の資産、負債を原則として時価評価したうえで、差額としてののれんを算出するルールでした。

対象会社の資産・負債を原則として時価評価しますが、その範囲には、BSに計上されていない無形資産、例えばブランド、技術、顧客との関係などの資産も含まれます。

PPAにおける無形資産等の時価評価を取り巻く状況の変化

企業結合会計基準の平成20年改正以前は、無形資産の時価評価は任意規定だったものの、同年の改正により、平成22年4月1日以後の企業結合から無形資産の時価評価が強制されるようになりました。

ただし、会計基準上無形資産の評価方法等について明確なルールがないことから、無形資産の評価に関する実務上の広がりは見られなかったと推察されるものの、2016年6月に会計士協会からPPAにおける無形資産の価値算定に関するペーパー(https://jicpa.or.jp/specialized_field/20160621c80.html)が公表されたこと、従来より計上が強制されていたIFRS適用企業が増加してきたこと、無形資産に着目したM&Aが多くなってきたことから、無形資産の価値算定に関する認知度が上がり、その実務も形成されてきていると感じています。

今では多くのM&Aで無形資産の計上が要求されますし、計上が要求されなくても、計上しない(無形資産がない)ということの合理的な説明を行うことを監査法人から求められるケースが増えていると感じています。

なお、PPA=無形資産の価値算定と捉えられることもありますが、PPAはあくまで取得原価の配分というプロセスの名称であり、無形資産の価値算定はPPAにおける1つの業務に過ぎません。

2019年7月に会計士協会から機械設備の評価のペーパー(https://jicpa.or.jp/specialized_field/20190712ijt.html)が公表され、機械設備の評価が要求されるケースも増えていますし、不動産や棚卸資産等は従来から時価評価されるケースが多い資産です。

PPAに関する当社のご提案業務

当社の業務はPPAにおける無形資産の価値算定を中心としつつ、棚卸資産、機械設備、借入金等の時価評価もオプション業務として対応可能です。土地等の不動産については不動産鑑定士の資格を持つ提携ファームをご紹介させていただきます。

当社には公認会計士資格を有するメンバーもおり、無形資産の価値算定のみならず、のれんの償却年数の決定方法や、企業結合に関する会計処理、有価証券報告書における企業結合の注記に関するご相談にも対応させていただきます。

無形資産の価値算定は企業価値評価に類似する業務であるものの、あくまで会計処理の一環であるため、業務を遂行するにあたっては企業価値評価だけでなく、会計処理に関する専門知識が必要となります。また、会計監査の対象にもなるため、監査経験を有していることで、監査法人とのコミュニケーションも円滑に図ることができると考えております。

当社は企業価値評価x会計処理x監査の専門知識を持ったメンバーにより、PPAに関する万全のサービスをご提供いたします。

PPAについては、以下の関連サービスのご提供も可能です。

Pre PPA業務(M&Aの検討時におけるPPA)

Pre PPA業務とはM&Aを検討するタイミングでの償却費分析業務になります。M&Aの検討段階でPPAを行ったと仮定した分析を行うことで償却費のシミュレーションを行うことが可能になります。なお、クロージングの前段階ですので、限定した情報に基づく分析でしかない点や、監査法人のレビュー前の暫定的な分析という点についてはご留意ください。

無形資産の識別に関する文書化業務

PPAでは原則として、無形資産を含むすべての資産・負債の時価評価が求められます。その一方で、現実的には時価評価を行った場合の時価・簿価差額に重要性がないと考えられる場合には、時価評価を行わないという対応を取るケースもあります。そのようなケースであっても時価簿価差額に重要性がないと判断した根拠となる説明資料が必要になり、当社にて説明資料の文書化サービスをご提供させていただきます。