PPAを勉強するときのおすすめ書籍

向上心が旺盛な読者向けに、PPAに関する書籍を紹介します。
PPAについては、海外の方が圧倒的に進んでおり、日本語で書かれた書籍は多くありません。

当ブログは一般企業の経理や経営企画の方を対象に、PPAについて、最低限理解していただきたいテーマを取り上げて解説を行っており、あまりマニアックな論点は取り上げていません。
無形資産の評価など、マニアックな論点について興味がある方は是非これらの書籍を読んでみてはいかがでしょうか。

目次

M&AにおけるPPA(取得原価配分)の実務

EY JapanによるPPAに関する書籍です。

PPAにおける無形資産の評価を中心にしつつも、有形資産評価や、減損テストなどの関連論点含めて丁寧に解説してあり、PPAを理解しようとするなら一番最初に読むべき書籍だと思います。
ただ、一般事業会社にお勤めの経営企画や経理の方は自身で評価するわけではないと思いますので、「無形資産の評価実務」などの章は一読すれば十分だと思います。

M&A無形資産評価の実務(第3版)

デロイトの無形資産評価本

現在第3版であり、日本語で書かれたPPAに関する書籍では最も歴史がある本だと思います(といってもそんなに古くはないですが)。
上記のEYの本が出るまでは実質的にPPAに関する書籍はこれしかなかったので、あきらめて読んでましたが、EYの本の方がまとまりが良く、どちらを薦めるか?と聞かれたらEYの方を薦めます。

EYの本にはない米国基準やIFRSに関する解説がある点が特徴だと思いますので、これら基準について確認したい点がある場合はこちらにも目を通してみるとよいかもしれません。

IFRS固定資産プラクティスガイド

PwCの人気IFRSシリーズの固定資産編です。

こちらは上記2冊と違って、タイトル通り、PPAというよりも、IFRSに関する固定資産の書籍です。

したがって、PPAに関する書籍で紹介するのもどうかと思うのですが、識別可能無形資産の考え方を含めてIFRS3号やIAS36号などの解説も行っているため、IFRSによるPPAを理解したいのであれば読む価値はあると思います。
コラム的な「PwC Eyes」は、それが知りたかったんだよ!って思うことも取り上げられていて、個人的には高評価です。
IFRSの本にありがちな、「英語の本を日本語に直訳したため何を言っているかわからない」ということがない点もおススメの理由の1つです。

PPAの評価 無形資産・動産の基礎から実務まで

2021年10月に出版された比較的新しい書籍です。

本書の特徴は動産(機械設備)の評価にあります。動産の評価に150ページものボリュームを割いており、非常に細かく解説されています。

表紙には「経理・財務担当者必携」とありますが、ここまで細かい知識は経理・財務担当者には必要ないというくらいの細かさだと思います。

まとめ

おススメ書籍!と銘打って紹介させていただきましたが、そもそも私が知っている限り日本語で書かれたPPA、特に無形資産の評価に力点を置いた書籍はここに挙げたもののみと思われます。
その他、企業価値評価の本でPPAに関して触れている書籍ももちろんあるのですが、本当に触れている程度で、PPAを理解しようと思うと全然足りません。

あとは書籍ではないですが、公認会計士協会から、経営研究調査会研究報告第57号「無形資産の評価実務-M&A会計における評価とPPA業務」が公表されています。
どなたでも無料で確認できるので、こちらも見てみるとよいかもしれません。

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この記事を書いた人

落海 圭介のアバター 落海 圭介 代表社員

2005年に監査法人トーマツに入所。様々な業種の会計監査業務に従事。
2013年8月以降はデロイトトーマツコンサルティングファイナンシャルアドバイザリー合同会社、バリューアドバイザリー合同会社で価値算定業務に携わる。
2022年8月に当社を設立し、現在に至る。
公認会計士、日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。
趣味はテニス。

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